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生命保険物語=第5話=+かわら版

=第5話= こうやって口説かれた、コーヒーの薫り!
 
「あらあ、わかばさん、お待ちしていましたわ。」
 金満部長が席を立って両手でわたしの手を強く握ってきた。
 握手なんて、主婦のわたしにはすごく新鮮で、妙に親しみを感じる。
 昨日は離れていたから気がつかなかったけどほのかにシャネル系の香りもする。
「実は、どうしてもあなたにはゆっくりお話がしたくて、無理をお願いしちゃったの。気を悪くしないでね。」 昨日の自信に満ちた近寄りがたい雰囲気とは一転して、妙に親しげにしかもやけに馴れ馴れしい。

「ここではなんだから、おいしいコーヒーでも飲みに行きましょう。」
 もう、すっかり金満部長の友達づきあいペース。しかもわたしが考え込むほどの余裕もないほど流れに淀みがない。
 平成生命ビルの1階に喫茶店があるのにそこには目もくれないでタクシーを止めた。
「品川のプライムホテルまで。」
 どうしてそんな高級ホテルにわざわざコーヒーを飲みに行くの?
 と訝るわたしなどにお構いなしに、一緒に強引さんもタクシーの前の席に乗りこんできた。その時のわたしはその馴れ馴れしさになんの疑問を抱くはずもなく、2時間後にはプライムホテルのラウンジで甘い夢を描くことになる・・・。

 39階の最上階にあるラウンジ・バーにはまだ午前中だというのに、ビジネスマンや恰幅の良い男性、それに外国人たちがピーンと張りつめた空気を醸しだし、殆ど満席。金満部長の姿を目にした蝶ネクタイの支配人とおぼしき男性が「お待ちしていました。こちらです。」と案内をする。予約を入れていたことは容易に想像できたが、実に場慣れしている金満部長の後ろ姿はわたしにはとてもまぶしい。

 やや奥まったグランドピアノを取り巻くボックス席に着くと、
「わかばさん、ここのコーヒーとケーキ、それにバームクーヘンおいしいのよ。それでいいかしら?」
「えっ?、えー」
 もう良いも悪いもない。すっかり金満部長ペースで、首を縦に振るしかない借りてきたネコ。
「それではいつものセット3つ。」
 コーヒー飲むのにこんなに丁寧な応対をされたことなどない。そもそも朝から超高層ビルでコーヒーやケーキなんて。体がすっぽり埋まるソファも痩身のわたしには落ち着かない。
 でも、この一流ホテルのコーヒーがわたしを安サラリーで汲々とする貧乏主婦から一転、見ず知らずの世界へ飛び出させるための演出だったとは。ずいぶん後で知ることになるんです。

■ 【誰も教えない!保険・ミニプログかわら版】=第2回= ■

★ 知らないと怖い「自殺免責」の真実!=NO.2=★

 生命保険に加入するときは誰も「自殺」を理由に死亡保険金をもらおうなどとは思っていない。ところが、長い人生何があるか分からない。加入時に説明された「生活設計による必要保障額」もあくまでも加入時の人生設計が想定通りいった場合の「仮定の姿」でしかない。最近は毎年3万人を超える人が「自殺」の選択をしているのが偽らざる実情だ。しかもその高齢者化は進行中だ。

 今回取り上げた裁判例は、その中に1例だが、16年3月に最高裁が「生命保険会社は自殺の免責期間が経過したら保険金を支払え」という判決で、客観的に見るとこの裁判の「東京地裁の判決」がでたころと前後して、一部大手生保を中心に「自殺免責期間が1年から2年」へ延長された。

 その裁判例は下記の通りだが、「自殺」に関する保険金支払いの難しさが良く分かる例である。

■「地裁→高裁→最高裁」の二転三転判決の顛末 ■

□ 平成6年~7年にかけて、防水建築請負業を目的としたA社の代表取締役C氏は、「10件・19億8,500万円」(図表①。「災害保険金」部分含む)の生命保険に加入した。□ 7年10月31日、C氏(当時61歳)が5階建て団地屋上から転落し、死亡したことで「事故死による保険金支払い」を求めCの妻B氏(C氏の死後B氏がC氏の会社の代表取締役に就任)とその企業が保険会社を提訴。

● 11年3月の「東京地裁」では死因を「自殺」と認め「当時は不当な利益を取得する意図を持っていたと認められない」として、契約から1年が経過した「(図表①の①~④)の4件6億円を保険会社は支払え」とする判決を出した。

● 13年1月の「東京高裁」では、「免責期間(1年)が経過後の自殺でも、生保会社が保険金目的の自殺と立証した場合、免責特約があっても、商法の規定の趣旨に基づいて、支払義務を免れる」として、「東京地裁」判決を取り消し、C氏の妻B氏等の保険金請求を棄却した。

● 16年3月の「最高裁」では、「保険者の責任開始の日から1年内に被保険者が自殺した場合には死亡保険金を支払わない旨を定めている保険約款の解釈」を巡り、初めての自殺時に関する保険金支払いの法解釈の判断が出された。

【要旨のポイント】 生命保険契約の責任開始から1年経過後の被保険者の自殺による保険金は、「当該自殺に関し犯罪行為が介在し、死亡保険金の支払いをすることで公序良俗に違反するおそれがあるなどの特段の事情が認められない場合」、「自殺の動機、目的が保険金の取得にある場合でも免責の対象とはしない」と解すべきである。

(図表①)全10件の生命保険加入状況

契約日 加入生保 保険金額

6.6.1 大同生命 15,000万円
6.6.1 朝日生命 15,000万円
6.6.1 三井生命 20,000万円
6.6.1 明治生命 10,000万円
7.5.1 日本生命 20,000万円
7.5.1 大同生命 15,000万円
7.5.1 安田生命  9,000万円
7.6.1 住友生命 20,000万円
7.7.1 明治生命  9,000万円
7.7.1 朝日生命  5,000万円

● 「保険プロやFP」が、知っておくべき保険の知識! 

○ もちろん「自殺」を推奨するものではないが、「保険プロやFP」なら、少なくとも「①:各社間で自殺免責期間は2年と3年の生保があること。②:16年3月の最高裁判決に至る東京地裁・東京高裁の判決内容」を知っておいた方が「自殺免責期間」については正確な説明ができる。

★参考:大地一成責任編集「保険・かわら版=第30号=『知らないと怖い自殺免責の真実!』」→http://homepage2.nifty.com/i_daichi/life/index.html

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