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生命保険物語=第14話=

=第14話=  初めての「招待旅行」で、わ・た・し、は見た!

 生命保険会社に「招待旅行」があることは、強引さんから聞いたことはあったけど、それにわたしも参加するなんて。もちろん、招待されるまでにはそりゃあいろいろな苦労・・・というより策略があったんだけど。
 とにかく、その「招待状」が渡されたのが旅行に行く1週間前。もっとも、セーヌセンターの壁に大きく貼られたグラフで誰が招待旅行に入賞したかはすぐに分かるんだけど、やはり「入賞おめでとうございます」と毛筆で書かれた「招待状」を手にして、「ああ、本当に行けるんだあ」と実感が沸いたの。
 

 でも、でも初めての招待旅行でわたしが見たものは・・・。
 淡々と表彰式が進み、わたしも新人の部で品川支社第3位に入り、みんなの前で表彰されたの。あの金満部長が怒った夜以来の支社長さんなんどけど、人が変わったみたいに堂々としてて、何かあの夜とは別人みたいだった・・・。でも賞品を渡されたとき「おめでとう」と言って視線が合ったときやさしく微笑んでくれたように思ったの。

 セレモニーが終わり、「ホテル日光一番」の大広間に総勢350人の大宴会が始まったの。みんなが揃った頃に突然、「ヨッショ、ワッショ!」というかけ声と囃子太鼓の音が流れると、あの太鼓持支部長が大団扇を振りながら人御輿が入ってきて・・・先頭に若井支部長・・・そして3人の組み手の上に乗ってるのは、間違いなくあの夜わたしとぶつかった鬼瓦みたいな平成生命のひと・・・だったの。

 宴会場の後ろから左右に揺れながら真ん中を割り、人御輿は舞台に辿り着くとその鬼瓦のひとは支社長に手をさしのべられながら降りたのだけど・・・その人が2代前の品川支社の支社長さんで今は偉くなって本社の役員だと言うことを知るのに時間は掛からなかった。だから、人御輿が入ってきて乗ってる鬼瓦のひとにみんなが気付くとどよめきが起き手拍子が始まったのね。

 鬼瓦のひと・・・宮崎不動取締役がホントの名前なんだけど、300人くらいだった品川支社を4年で倍の600人にし、次の支社長がさらに増やして800人にまで伸ばし、今年の春には、品川支社550名と隣の700名いた渋谷支社から200名を合流させて「目黒支社」を450名で新設した・・・その基礎を築いたのが宮崎取締役だったのだけど、その顔の怖さとは裏腹にもう5年も経つのに品川支社のベテランセールスの中には宮崎ファンが多い、という。

 そのファンの一人が金満部長だと言うことを、宴会の後の2次会で強引さんから聞いたのだけど・・・かなり訳ありの言い方をしていた・・・その”訳あり”の中味は6人の同じ部屋だった品川支部のトップセールス地獄耳さんから聞かされることに。

 でも、その”訳あり”のことよりも、わたしがわたしの人生でおそらく初めてでまた最後というような驚愕の舞台をこの目で見たのに比べると・・・もう20年以上も経った今でもその光景は目に焼きついて離れない。

 

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